月影の城の記録装置

小説(主にライトノベル)やゲーム、アニメの感想等を書いたり書かなかったり。

空の境界

記念すべきブログ初感想は

      空の境界



空の境界 上  (講談社ノベルス)

空の境界 上 (講談社ノベルス)


こちらは講談社から発売されてる上下巻の方ですね。


空の境界を選んだ理由としては、現在ufotableでのTVアニメ2クール目、そして劇場版が決まっているFate、その原作を書いているのが本作の作者奈須きのこであることと、私が好きなので1番最初の感想に持ってこさせていただきましたw

空の境界といえば名前くらいは聞いたことがある方も多いのではないでしょうか……。




本作は主に両儀式黒桐幹也の2人を中心とした物語です。初出はweb小説として竹箒に掲載されました。ジャンルはいわゆる伝奇小説で、講談社風に言うなら新伝奇というやつですね。

それでは章ごとに感想を書いていこうと思います(おそらく章ごとに書くのは空の境界が最初で最後)

1/俯瞰風景 Thanatos


『ふん―――たしかに、こいつは魔的だ』
なら、殺さなくっちゃな

空の境界の第1章、作者の奈須きのこ叙述トリック等の小説ならではの表現を取り入れることを大切にしていると語っており、作品を通して一種のミステリ的な要素もあります。物語の根幹に関わる部分にも見受けられますね。

それではあらすじ

八月になったばかり黒桐幹也は巫条ビルからの飛び降り自殺に遭遇する。取り壊しが決まっているそのビルでは少女による飛び降り自殺が多発していた。さらに街では三週間ほど前から、夜になると上空に人影のような物が見えると噂になっていた。巫条ビルで多発する飛び降り自殺と浮遊する人影。 奇しくも黒桐幹也の友人である両儀式もまた同じビルで噂の人影を見かけていた。そんな中、黒桐幹也は巫条ビルに近づいたのを機に昏睡状態に陥ってしまう。八月の終わり、式は黒桐幹也を取り戻す為に夜の巫条ビルへ足を踏み入れる。


大体の流れはこんな感じです。


 初めて読んだのはかなり前になりますが今でも好きな作品の一つとして変わりはないですね。とりわけ俯瞰風景は最初に読んだ章として鮮烈に記憶に残っています。両儀式黒桐幹也の断片的に垣間見られる関係性は後の章でより詳しく語られます。黒桐幹也の働く伽藍の堂での蒼崎橙子らとの会話で見受けられる登場人物の思想や倫理観等は感銘を受けたり共感したり色々な感想を抱きますし、その一つ一つが人物の性格を表しているのが良いですね。俯瞰風景は序章ということもありまだ話の全貌は見えませんが所々に話の大きな流れの一端が絡んでいたりと後の話を読むうえで重要な要素も散りばめられています。


 Fateの原作者でもある奈須きのこですが空の境界でもそういった魔術的要素、世界観を同じとする作品なのでFateが好きな方にもお勧めな作品ですよ。


 「逃走には二種類ある。目的のない逃走と目的のある逃走だ。一般に前者を『浮遊』と呼び、後者を『飛行』と呼ぶ。君の俯瞰風景がどちらであるかは、君自身が決めることだ。だが、もし君が罪の意識でどちらかを選ぶのなら、、、それは間違いだぞ。我々は背負った罪によって道を選ぶのではなく、選んだ道で罪を背負うべきだからだ。」

というわけで1/俯瞰風景 Thanatosでした。あまり感想らしきことは書いてませんがとにかく読んで貰いたいです。式がカッコ良くて可愛い話ですw

それでは。